広大な草原、満月ヶ原には、いったいなんだったのかわからない遺跡がたくさんありました。その真中には、昔戦争で使われた鉄道が、今もさみしく走っておりました。

 その鉄道が、草原を渡る時にただひとつ停まる駅には、人が住んでいました。老人と、少年と、あと若い学者でした。

まわりにはなんにもないように見えても、じつはなんでもあるのです。駅の住人はそんなのを使って、ときどきやってくるお客のために駅宿を営んでいました。

 その駅宿の名前は満月亭といいました。

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